静岡への移動中の車内。よしもとばななさんの『ひとかげ』を読んだ。内容にももちろん感動したんだけど、この企画に対する思いにすごく共感した。この『ひとかげ』は以前書いた『とかげ』を自身でリメイクした小説だ。有名な作家だけにきっと熱のこもったファンも多いんだろう。だからこそ難しかったと思う。初期作品を愛するファンはリメイクすら許さないかもしれない。でも個人的には若い頃の『とかげ』よりも今現在の『ひとかげ』の方が好みだった。上がったスキルで書き上げた巧みな描写にどっぷりと感情移入して読めた。
規模こそてんで違うが俺らにもそんな熱の入った応援をしてくれるファンが各地に散らばっている。1stの頃は高校生で就職した今もライブに遊びに来てくれる子も少なくない。こないだライブハウスでそんな子と立ち話をした。『アルバムどうよ?聴きやすいっしょ?』と、わざとイヤラしい質問してみる。すると『俺今回の好きっす。歌詞が1stっぽいっすね。』と意外な答えが返る。何気ない数分のやり取りだが力を貰った。
ツアー初日のMCで安斎は『今回のアルバムをバイブルにして俺らはツアーに出る』と言った。アイツもきっと同じ思いなんだ。
なんで俺はわざわざこんなしみったれたこと書いてるんでしょう。たぶん共鳴して欲しいんだと思うわ。真意が気になったら『ひとかげ』のあとがきだけでも立ち読みしてくれ!